動画のカバーは、編集画面で見ているときよりずっと小さく表示されることがほとんどです。スマートフォンのフィードでは背景の細部が消え、小さな文字がつぶれ、人物の表情も読み取りにくくなります。
AIポスター生成ツールを開く前に、小さくなっても何を見せたいのかを決めましょう。顔なのか、人物同士の関係なのか、それとも異変を感じさせる物なのか。その要素を中心に画面を組み立てます。
ここでは、架空の映画ポスター5枚を使ってデザインの判断を説明します。
1. 物語を伝える細部を見つける
演奏家としての道を絶たれたバイオリニストを描くAI短編を想像してください。バイオリンと折れた弓だけでも、物語の手がかりになります。楽器が職業を示し、折れた部分が人生に起きた変化を暗示します。

The Last Note:斜めに置かれた弓が静かな背景を横切り、折れた部分がはっきり見えます。
物で物語を伝えるときは、その状態が重要です。壊れている、捨てられている、使い込まれている。それぞれが異なる背景を想像させます。
短編映画のポスターでは、背景をほのめかす細部を1つ選びます。それを大きく見せ、背景を簡潔にして、サムネイルの大きさでも確認してください。そうしないと、単に美しい楽器の画像に見えてしまうかもしれません。
脚本との整合性も確かめましょう。カバーに示した手がかりは、本編を見た後に納得できるものであるべきです。
2. 人物の配置で視線を導く
短編映画のポスターデザインでは、人物の配置が大きな役割を果たします。最初に誰を見てほしいかを決め、その人物を基準にほかの登場人物を配置します。
主人公を中央に置く
人物を中央に置くと、その人の心理状態に注意を集められます。視線や姿勢、身につけている道具が、人物像を伝える手がかりになります。

Last Round:ボクサーが見る人に正面を向けています。使い込んだグローブを画面下部に置き、暗い背景で顔と肩の輪郭を際立たせています。
再起を描くこの物語では、静かな立ち姿にすることで表情をじっくり見せられます。まずスマートフォンでも表情が読める大きさにし、背景とタイトルを周囲に配置しましょう。輪郭が背景に溶け込む場合は、局所的な明暗差を調整するか、控えめなリムライトを加えます。
群像には視覚的な主従をつける
群像ポスターでも、まず中心となる人物を決めます。脇役の高さ、距離、明るさに変化をつけ、それぞれの役割が見えるようにします。

The Last Table:淡い色のブラウスが中央の女性に視線を集めます。封筒と周囲の視線から、全員に関わる緊張の原因がうかがえます。
ドラマのカバーでは、視線としぐさで関係を表せます。身を乗り出す人、様子をうかがう人、目をそらす人。それだけでも違いが伝わります。
ショートドラマのカバーでは、脇役を1人ずつ加えてみましょう。その人物が新たな情報を伝えているのか、ただ画面を埋めているだけなのかを確かめます。
3. 9:16と16:9で構図を組み直す
Shorts、Reels、TikTok向けの9:16の縦型カバーと、16:9のYouTubeサムネイルでは、同じ情報でも配置を変える必要があります。
9:16の縦型カバー
- 構図: 肖像、階段、異なる階にいる人物など、高さを生かします。
- 被写体の大きさ: 狭い画面でも顔や重要な物が分かる大きさにします。
- タイトルの位置: 主な動きの上か下に、読みやすい領域を確保します。
16:9の横型カバー
- 構図: 対立する人物、群像、人物と目的地など、横の広がりを生かします。
- 被写体の大きさ: 広い背景の中で主役が小さくなりすぎないようにします。
- タイトルの位置: 被写体の横の空間か、独立したタイトル用の帯を使います。

Between Floors:別々の踊り場に立つことで、2人の距離が伝わります。手すりが視線を上へ導きます。

Night Ferry:女性と船を左右に置き、桟橋でつないでいます。その距離が、彼女はなぜ待っているのかという疑問を生みます。
Night Ferryをそのまま縦に切り抜くと、女性か船が画面から外れる可能性があります。船を女性の肩の後ろに移せば、狭い9:16の画面でも両方を残せます。
実際の掲載場所でもプレビューしてください。プレーヤーの操作ボタン、字幕、フィード上のトリミングが、端にある重要な部分を隠すことがあります。
4. 光、色、細部で仕上がりを整える
AI映画ポスターが不自然に見える原因は具体的です。光の向きがそろっていない、手が道具を握れていない、背景が顔と同じくらい明るく鮮明になっている、といった問題です。
まず光源を確認します。群像では、人物全員の光の当たり方に一貫性が必要です。Night Ferryでは、灯りが女性の輪郭、ぬれた板、近くの水面を暖かく照らし、遠くの空は寒色に保たれています。
次に明暗差を確認します。背景が重要な表情やしぐさ、物より目立っていたら、その部分の明るさや細部を抑えます。
色調は物語に合わせましょう。The Last Noteでは、木の色とアイボリーが繊細なドラマに合っています。映画らしいポスターにするために、すべての場面を同じ暗い色調にする必要はありません。
原寸で手、道具の形、服のしわ、影を確認します。フィルムグレインで質感は変えられますが、AI生成による構造の誤りは個別に直す必要があります。
AIアニメのポスターでは、本編と見比べながら線、影の形、キャラクターの比率も確認してください。
5. 画像生成の前にタイトルの位置を決める
映画ポスターの文字組みは構図に影響します。画像を生成する前に、タイトルを置く位置をおおよそ決めておきましょう。
Last Roundは詰まった太い文字を使い、The Last Noteは細身のセリフ体の周囲に余白を取っています。ジャンルに合った書体を選び、読みやすさを確認します。
文字を減らすときは、タイトルを優先します。大判の短編映画ポスターでは必要なクレジットも、AI動画のサムネイルでは画面を煩雑にすることがあります。
どの映画ポスター作成ツールを使う場合も、文字は編集できる状態にしておきましょう。タイトル、翻訳、改行を変えるたびに画像全体を生成し直す必要はありません。シリーズでは、短編映画ポスターのテンプレートを再利用できます。
動画の静止画や、プロジェクトの人物・背景の参照画像からポスターを作れます。ArcloopのGPT Image 2ツールは、テキストからの画像生成と参照画像を使った編集に対応しています。AI映画ポスター生成ツールでは、人物を大きくする、背景を簡潔にする、タイトル用の余白を増やすなど、修正の目的を具体的に伝えましょう。



