はじめに
この二人のキャラクターは、三話かけてこの戦いに向かってきた。「カイトが打撃を受け止め、足払いで反撃。レンはうまくかわす」と書いたのに、実際のクリップには肩のあたりで融合した二つの体、どちらのものかわからない腕、そして見当違いの人物に決まった足払いが映っている。一人のアクションは問題なかったのに、二つの体が接触した途端、モデルはそれを一つのオブジェクトとして処理してしまう。
格闘は一つのアクションではなく、exchangeの連続であり、各exchangeには「接触」がある――一方の体がもう一方に触れる瞬間だ。接触こそがマージが起きる場所であり、同時にリファレンス・スチルが最も効果を発揮する場所でもある。このガイドでは、マネキンクリップからAIアニメ動画用の格闘シーンをステージングする方法を解説する。格闘をexchangeに分割し、接触ごとに一枚のスチルを取り出し、一方が攻撃し、もう一方が受け、カメラが接触を見せる位置に収まるようにshotを書く。
なぜ二つの体は失敗するのか
二人のキャラクターが接触した瞬間、三つのことが起きる:
- 所有権が曖昧になる。 どの腕がどちらのものかはモデルの判断であり、フレームごとにその判断がリセットされる。
- アイデンティティが薄れる。 一つのshotに二つの
@参照を入れると、同じピクセルで二つのアイデンティティが競合する。体が近いほど、二人は平均化される。 - アクション数が倍になる。 打撃とブロックは二つのアクション。打撃・ブロック・カウンターは三つ。一アクションのルールはすぐに崩れる。
一人のアクションのガイドでは三番目の問題をshotの分割で解決している。格闘では最初の二つも対処する必要があり、それが接触スチルと攻撃側・守備側の役割分担の目的だ。
格闘シーンをドラマチックに決めるための要素――緊張感、空間、打撃直前のビート――については、バトルシーン・プロンプトガイドに書いてある。この記事はステージングの話だ。
二人のshotのルール
- shot一つにつき接触は一つ。 ブロックは一つの接触。つかみも一つ。パンチ・ブロック・カウンターは三つのshotになる。
- 攻撃側と守備側、それぞれに名前をつける。 「@Kaitoが打つ;@Renがブロックする」のように書く。「二人が打ち合う」は絶対にNGだ。
- カメラは接触が見える側に置く。 通常は二人を結ぶ線に対して垂直な位置で、両方の体がプロフィールに映り、接触点が見える。
- 接触ごとに一枚スチル、きれいなソースから。 マネキンのコレオグラフィクリップが理想的だ:テクスチャのない二つの体、漏れるアイデンティティがなく、接触点が明確。
- スチルの中では体を少し離して、できれば。 最大接触の瞬間より数フレーム前のスチルの方が、モデルがうまく処理できる。モデルが接触を完成させるのであって、もつれを解かせるわけではない。
- アイデンティティと衣装はassetから、それだけ。 二人のキャラクターなら二つの
@参照を使い、顔や衣装の説明はゼロにする。
任意のクリップからスチルを取り出す方法については、ポーズリファレンスガイドにフレーム選択のルールが書いてある。格闘では同じルールを二つの体に同時に適用する。
マネキンクリップから格闘を組み立てる手順
- クリップを見て、exchangeをリストアップする。 各exchangeは一つの接触:打撃とブロック、つかみと解除、足払いと転倒。10秒の格闘は通常4〜6exchangeになる。
- exchangeごとに一枚スチルを取り出す。接触直前のフレームで、接触点が見える角度から。名前はexchangeごとに付ける:「ex-01-strike-block」のように。
- スチルをコンテンツライブラリにアップロードし、Visual referenceとしてバインドする。格闘用に名前をつけておく。クリップ自体も順序確認用にコンテンツライブラリに残しておく。
- 両方のファイターがcharacter assetになっているか確認する。Main imageと、特定の装備で戦う場合は衣装リファレンスをassetにバインドしておく。
- exchangeごとに一枚shot cardを書く。 カメラは接触側に、
@attackerが一つのことをして、@defenderが一つのことをして、exchangeスチルと合わせて、終了状態を書く:「レンが二歩下がったところで終わる」のように。 - 全exchangeのスチルを生成して所有権を確認する:どの腕、どの足、誰がどこにいるか。体がマージしているスチルには、言葉を増やすより明確なリファレンスを追加する。
- 問題がなかったexchangeの動画を生成する。 各クリップは短く;接触は2秒以内が目安。
- Editでexchangeの順に繋ぐ。 各クリップを接触とその直後の余韻までトリミングする。exchangeのテンポが遅く感じたら、次のクリップに早めにカットインする。再生成はしない。
例1:打撃とブロック
Medium-wide shot, camera at chest height, perpendicular to the two fighters so both are in profile, static. @Kaito on the left throws a straight right at head height; @Ren on the right raises his left forearm and blocks it outside. Match exchange still ex-01: bodies a forearm's length apart at contact. Ends with the block held for a beat, both feet planted. Training hall, flat overhead light. No camera move.
例2:つかみと解除
Medium shot, camera at chest height, same side as Shot 1, static. @Ren on the right grabs @Kaito's collar with his right hand; Kaito twists left, brings his left arm over Ren's wrist, and breaks the grip. Match exchange still ex-02 for the grip position. One clean motion, ends with Kaito free and half a step back, Ren's hand open. Same hall, same light. Both faces from assets.
例3:足払いと転倒
Wide shot, camera low at knee height, same side of the fighters, static. @Kaito drops and sweeps his right leg through @Ren's front ankle; Ren's feet leave the mat and he falls onto his back, left to right. Match exchange still ex-03 for the sweep angle. Ends with Ren on the mat and Kaito rising. Dust lifts off the mat. No camera move; the fall happens within the frame.
よくある失敗パターン
- 体のマージ。 手足が多すぎる一つの塊になっている。スチルが最大接触の瞬間だったので、接触直前のフレームを使う。
- 所有者が違う。 レンの腕がカイトの体についている。そのアクションで攻撃側と守備側に名前をつけていなかった。名前をつける。
- 一つのshotに接触が二つ。 カウンターが消えた。shotを分割する。
- カメラが反対側。 接触が体の後ろに隠れている。二人を結ぶ線に対して垂直になる位置にカメラを移動する。
- 顔が平均化されている。 両方のファイターが混ざった顔になっている。二つの
@参照とテキストに顔の説明が入っていたので、説明を削除する。
よくある質問
格闘中にカメラを動かせますか? はい、shotごとに一つの動きであれば問題ない:ブロックにプッシュイン、投げにウィップパン。インパクトが増すshotに絞って使い、残りはカメラを固定してカットでエネルギーを出そう。
一つのshotに何exchangeまで入れられますか? 一つだ。二exchangeを一shotに入れると、マージが始まる。格闘のテンポが悪く感じたら、shotを長くするのではなくカットで直す。
二人のキャラクターの体格が大きく違う場合は? むしろ問題が少なくなる。体格差があると所有権の判断がしやすくなる。shotの中で一度書けばいい:「カイトはレンより頭一つ分低い」のように。残りはassetが担ってくれる。
マネキンクリップが必要ですか?実写の格闘クリップでも使えますか? 取り出すフレームで体がはっきり分離していれば、実写クリップでもスチルとして使える。マネキンクリップの方が扱いやすい理由は、漏れるものがないからだ。
次のステップ
ずっと後回しにしてきた格闘シーンのexchangeをリストアップしよう――おそらく五つある。似たようなコレオグラフィのクリップを探し、接触直前のフレームでexchangeごとに一枚スチルを取り出して、最初のexchangeをshotとして書いてみる:カメラは接触側に、@attackerが打ち、@defenderがブロックし、終了状態を書く。ArcLoopでプロジェクトを開き、そのスチルを一枚生成して、先に進む前にどの腕がどちらのものか確認しよう。





