はじめに
ロングテイクが撮りたくてSeedance 2.5を選んだ。廊下での言い争いを1カットで、キャラクター2人、30秒、カット割りなし。全部を1段落に詰め込んで、リファレンス画像を20枚添付したら、カメラが5秒ごとに動き回り、途中でキャラクターのジャケットが変わったクリップが返ってきた。モデルはあなたの指示通りに動いた。ただ、一度に頼みすぎただけ。
Seedance 2.5には特定の書き方が合う。タイムドビートで書かれたショットリスト、カメラは冒頭に1度だけ記述、キャラクターの同一性は形容詞ではなくリファレンスで担保する。このガイドでは、Seedance 2.5が最も得意とする3つの用途——ロングシングルテイク・複数キャラクターシーン・4K納品——に合わせたプロンプトの書き方を、キャストがすでにアセットとして存在するArcLoopプロジェクトの中で解説します。
Seedance 2.5の得意なこと
できることの範囲がプロンプトの形を決める:
- 尺。 ネイティブで30秒のクリップ、50秒まで延長可能。1テイクでシーンのビート1つを丸ごと収められる。
- 解像度と比率。 最大4K、16:9・9:16・1:1・2.39:1に対応。比率はプロンプトではなくStory Settingsで設定する。
- リファレンス。 1生成あたり最大50枚だが、実用的な範囲は10〜20枚。キャラクター1人に3〜5枚、セットに2〜3枚、小道具に2〜4枚。枚数を増やしてもコントロールは上がらず、混乱が増えるだけ。
- カメラワード。 プロ用語——dolly、rack focus、low angle、two-shot——に素直に反応する。ショットリストのようにカメラを書けば、そのまま読んでくれる。
- プロンプト長。 英語で100〜300語が快適な範囲。その長さはビートのためにある。形容詞のためではない。
MiniMax H3との使い分けについては、H3 vs Seedance 2.5 比較にショットタイプ別の使い分け表がある。このガイドはSeedance 2.5を選んだ前提で進める。
Seedance 2.5プロンプトのルール
- タイムドビートで書く。 「0〜8s:… 8〜20s:… 20〜30s:…」1ビートに1アクション、カメラムーブは最大1つ。
- カメラは冒頭に1度だけ記述する。 高さ、距離、レンズ感、そして1つのムーブ。ビートの中で繰り返さない。
- 同一性はリファレンスで、説明文ではなく。
@MiraにアセットのMain imageと数枚のリファレンス。テキストに髪・瞳・衣装は書かない。書いた瞬間、テキストが画像と競合する。 - アンサンブルシーンはキャラクターごとに1段落。 誰がどこで何をするか、起こる順番に。モデルは構造を読む。
- ライトは1度だけ設定して維持する。 ロングテイクの途中でライトが変わるとカット割りに見える。
- 最後のビートは退場に使う。 テイクがどこで終わるかが最も重要。明示的に書く。
ArcLoopでSeedance 2.5のshot cardを設定してプロンプトを書く手順
- Story Settingsを設定する:ビデオモデルをSeedance 2.5に、比率(9:16または16:9)と納品する解像度を指定。
- アセットを確認する。 Seedance 2.5でのビデオ生成には、キャラクターがアセットとして存在している必要がある。それぞれMain imageと3〜5枚のリファレンスを持ち、セットはMain imageを持つロケーションアセットとして用意する。
- エピソードを開いてGenerate Shotsを実行し、ロングテイクにすべきショットを選んでそのビートを1枚のshot cardにまとめる。置き換えたカードは削除する。
- カードをタイムドビートで書く。 最初にカメラライン、次に0〜8s、8〜20s、20〜30s。キャラクターが動く場所に
@でリファレンスを添える。 - リファレンスセットを添付する。 アセットが自分のリファレンスを持ってくる。ショット固有のもの(ポーズスチル、ライティングリファレンスなど)は数枚だけ追加。合計20枚以下に収める。
- まず冒頭フレームのスチルを生成する。 構図と顔が合っていれば、テイクを生成。合っていなければ、30秒に費やす前にカードを修正する。
- テイクをビートと照合して確認する。 各タイムドビートが書いた位置で見えているかチェック。遅れて現れるビートはプロンプトの問題——その前のビートを短くする。
- Editでカットする。 良いロングテイクでも最初の1秒はたいてい要らない。トリミングして配置し、キャプションを入れる。
例1:30秒のシングルテイク、キャラクター1人
Camera: handheld feel, chest height, medium shot, slow drift forward through the whole take, no cuts. Set: @Rooftop Garden at dusk, warm rim light from the west, city haze behind. 0–8s: @Mira walks along the railing, one hand trailing the rail, looking at the city, not at camera. 8–20s: she stops at the corner, takes the letter from her jacket, reads without opening it fully. 20–30s: she folds it, looks up, and for the first time turns toward camera; the drift stops as she does. End on her held gaze.
例2:アンサンブルシーン、キャラクター3人
Camera: static two-shot at eye level, slightly wide, the doorway on frame right. Set: @Sorting Room before sunrise, cool overhead work lights. @Nell at the sorting table, center, stacking parcels, does not look up for the first ten seconds. @Bram enters through the doorway at 4s, stops, waits. @Ines at the far left desk, watching both. 10–20s: Nell finally looks at Bram; Ines looks down. 20–28s: Bram takes one step in and puts the envelope on the table; nobody speaks. End on Nell's hand not reaching for it.
例3:カメラムーブありの4K納品ショット
Camera: crane, starts low behind @Kaito at the shrine steps, rises and pulls back over 25 seconds to a high wide of the whole @Mountain Shrine in dawn mist. One continuous move, no pan. 0–10s: Kaito climbs the last steps into frame, camera at his back. 10–20s: camera rises past his shoulder; the shrine gate and the valley open below. 20–25s: wide, Kaito small at the gate, mist moving. Light: single dawn source from frame left, constant. End on the wide, hold.
Seedance 2.5プロンプトがよく崩れる原因
- 1つの密な段落。 ビートがないので、モデルが勝手にペーシングする。タイムドビートに分割する。
- ビートごとにカメラを再記述する。 カメラの文が3つあれば、カメラのアイデアも3つになる。冒頭の1行だけにする。
- テキストで顔を説明する。 言葉がリファレンスと競合してキャラクターがブレる。説明を削除して
@を残す。 - リファレンス50枚。 コントロールではなく混乱。10〜20枚にする。
- テイク途中でライトが変わる。 カット割りに見える。1度だけ指定する。
- 終わりを書いていない。 テイクがフェードアウトしていく。どこで終わるか書く。
よくある質問
30秒フルに使う必要はありますか? ない。ビートに必要な尺を使う。3ビートの12秒テイクは、15秒間何もない30秒テイクより良い。
Seedance 2.5は英語のプロンプトが必要ですか? 英語の映像用語を最もよく読みます。カメラとビートは英語で書く。キャラクターのセリフはストーリーの言語で構わない。
1つのエピソードでSeedance 2.5とMiniMax H3を混ぜて使えますか? 使えます。それぞれのshot cardがモデルを選び、どちらもEditの同じタイムラインに乗る。ロングテイクとアンサンブルにはSeedance、短いリファレンス精度重視のショットにはH3を使い分けるのがおすすめ。
ショートドラマの比率は? 9:16。Story Settingsで設定する。比率はプロンプトに書かない。設定が制御する。
次のステップ
6カットに割っていたシーンを1本のSeedance 2.5テイクで書いてみよう。カメラライン、3つのタイムドビート、@ リファレンス、明示的なエンド。ArcLoopのStory SettingsでSeedance 2.5を選び、冒頭のスチルを生成してからテイクを生成して、各ビートが書いた位置に収まっているか確認する。





